中国留学|奨学金・出願・面接・ビザまで完全ガイド

大学院

この記事は、①中国政府奨学金(CSC)、②国際中文教師奨学金(旧・孔子学院奨学金)、③上海市政府奨学金の3本柱について、必要書類から面接対策、合格後のビザ(JW201/JW202)取得までを一気通貫で解説します。
最新の公式ガイドラインを踏まえつつ、実務で迷いがちなポイントを具体例とテンプレ付きでまとめました。みなさんの参考になれば幸いです!

奨学金の全体像(まずはここから)

①中国政府奨学金(CSC):全国の大学で使える国家レベルの奨学金。
☛主対象:ほとんどすべての学部
☛内容:学費免除+寮(又は補助)+月額生活費+医療保険が基本。
☛募集経路:「A:日本の文部科学省が主催する」「B:中国現地の大学にて応募」に分かれます。日本在住、中国の大学に非所属の方は前者(Aパターン)経由で応募します。

国際中文教師奨学金(旧・孔子学院奨学金):中国語教師育成を目的とする奨学金。
主対象:「国際中文教育(汉语国际教育/TCSOL)」の学位(正規留学)、もしくは中国語の短期語学留学
☛内容:内容:学費免除+寮(又は補助)+月額生活費+医療保険が基本。
☛募集経路:一学期・一年コースや非学位コース(中国語・中国語言文学・中国史・中国哲学など)を設ける大学もあります。
※正規留学以外でも「語学留学がしたい方」はこちらの奨学金がおすすめです!
公式サイトはこちら:https://www.hskj.jp/scholarship/

上海市政府奨学金(SGS):上海市内大学向けの地方奨学金。A類(全額:修士・博士中心)/B類(部分:学部~博士)など。大学ごとに募集バッチ・締切が設定されます。
※こちらは各都市の奨学金ですので、各留学都市に対応の奨学金があるかは調べてみてください!

ワンポイント:実際の要件・締切・書類は大学ごとに微妙に異なります。必ず志望大学の国際教育学院(International College 等)のページで最終確認を。
この記事末尾にチェックリストを用意しました。ぜひご活用ください!

奨学金別:対象専攻・給付内容・締切の目安

1) 中国政府奨学金(CSC)

対象専攻:学部・修士・博士・研究生(交換/訪問研究)まで幅広く対応

給付内容の目安
・学費免除、校内寮の提供または宿舎補助
・月額生活費(例):学部2,500元/修士3,000元/博士3,500元
・ 総合医療保険(長期:年800元相当)

·応募経路とスケジュール(9月入学想定)
・12〜2月:志望校と専攻の絞り込み、指導教員のプレ承諾(博士は特に重要)
・1〜3月:CSCオンライン登録(campuschina)+大学出願
・4〜6月:面接・審査
・7〜8月:結果通知、ビザ書類(Admission Notice & JW201/JW202)

2) 国際中文教師奨学金(旧・孔子学院奨学金)

対象専攻:「中国文化」「中国語」にまつわる学部やコースが対象。以下2つに分かれます
学位国際中文教育(BTCSOL/MTCSOL/DTCSOLなど)
非学位:一学期/一年中国語、中国語言文学・中国史・中国哲学等を開講する大学も
※要ターゲットは国際中文教育(中国語教師養成)ですが、大学によっては中国語言文学や関連人文学の非学位枠も募集しています。学位進学は基本「国際中文教育系」と押さえてください。

語学要件の目安(例)※2025年9月20日時点
・学士(BTCSOL):HSK4級 210点+HSKK中級 60点
・修士(MTCSOL):HSK5級 210点+HSKK中級 60点
・博士(DTCSOL):HSK6級 200点+HSKK高級 60点+(必要に応じて)実務経験など
※非学位の一年・一学期コースもHSK/HSKKの基準設定あります
出典:https://www.hskj.jp/scholarship/

スケジュール(9月入学) ※私自身の経験段でお伝えします!
・3/1:出願開始
・3/9:志望大学から面接日程の案内通知をいただく
3/10:面接実施
・3/11:大学の学生課から合格連絡をいただく!
注意点:該当奨学金が5月中旬締め切りであるため、この時点では「奖学金预录取状态(奨学金はもらえる予定だよ)」という状態です。99%奨学金は取得できる状態です
・6月初旬:正式に合格通知をいただく
・7-8月 :ビザ書類など

3) 上海市政府奨学金(SGS)

対象専攻:学部・修士・博士・研究生(交換/訪問研究)まで幅広く対応。奨学金の内容が全額/部分など細かく分かれていました。(2023年9月当時)
A類(全額):主に修士・博士。学費・寮・生活費(例:修士3,000元/博士3,500元)+保険
B類(部分):学部〜博士。学費+保険(生活費なし)

スケジュール(大学により複数バッチ):
例)第一バッチ 3/1、第二バッチ 5/15 締切 / 別例)5/31 締切

奨学金に必要な書類(共通コア)

下記はほぼ全ての奨学金で要求される“基本セット”です。

1.      パスポート(有効期限が入学年翌年春以降まで)
2.      最終学歴の卒業証書学位証明(在学中は「卒業見込み」)
3.      成績表(Transcripts):英語または中国語
4.      語学証明
・中国語課程ならHSKHSKK(スコアは制度・大学で異なる)
・英語課程ならIELTS/TOEFL等、または英語授業証明
5.      研究計画書(Study/Research Plan)
学部200字〜/研究生500字〜/大学院1000字〜が目安
目指すコースにり内容も異なります
6.      推薦書:学部は1通、修士・博士は2通(教授・副教授級)
7.      指導教員のプレ承諾(博士):指定のテンプレがある場合あり
8.      無犯罪証明:提出から6か月以内の発行が一般的
9.      外国人体格検査表(体検表):6か月以内有効。原本は持参すると◎
10.  事前合格書(Pre-admission)や大学願書:Type-Bや一部制度で加点・必須
提出言語中国語または英語以外の書類は公証翻訳を添付。

研究計画書とは(書き方テンプレ付き)

※あくまでも私個人の見解と体験によるものですので、ご参考までに

目的:どの学部でも「なぜ中国の大学で学ぶ必要があるのか」「学びをどう生かしたいのか」は抑えるといいと思います。たとえば、語学留学であれば「中国で学ぶ必要性」「中国で得た学びをどう生かしたいのか」を重視するのもいいかもしれません。

構成テンプレ:※修士課程用の研究計画書です
1. 研究テーマ
2. 背景と問題意識(先行研究をもとに「xxの領域はまだ誰も研究してないため、私がやりますアピール」)
3. 研究目的
4. 理論枠組み・仮説(必要に応じて)
5. 方法(データ、手法等)
6. 計画とタイムライン(例:1年ごともしくは学期ごとの到達目標を記入)
7. 期待される成果(例:日本の中国語教育の何に貢献できるの?)
8. 中国で学ぶ意義
9. 参考文献

加点するなら – もし卒論の要旨・既発表業績(あれば)を添付すると説得力が増すと思います
※研究計画書の書き方や内容に関しては別途記事にします!

修士課程向けの準備期間(例|9月入学)

前年度10〜12月:研究計画書の作成、出身大学の教授陣に推薦書を依頼
1〜3月:オンライン出願(CSC/大学/奨学金プラットフォーム)、書類作成完了
3〜5月:面接(オンライン中心)・追加書類対応
6〜7月:合否通知・入学手続き
7〜8月:ビザ書類受領(Admission Notice & JW201/JW202)・X1ビザ申請

春入学(3月)の募集を持つ大学・奨学金もあります(特に国際中文教師奨学金の一学期枠)

面接と面接対策

形式:オンライン(Wechat/Voom/大学独自システム)または対面。
質問:今までの経歴、なぜ中国?なぜ我々の大学?将来はなにがしたい?
☛主な質問は、過去、現在、未来の三軸でした。
面接前にした対策や実際の面接内容に関しては別の記事を記載します。

合格後にすること(来中までのToDo)

1.      入学意思の確認(期限までにオンライン承諾)

2.      オリジナル書類の持参準備(卒業証書・成績・体検表など)

3.      健康診断:外国人体格検査表の原本/中国到着後に指定機関で再検査を求められる場合あり

4.      宿舎申請:校内寮 or 校外申請(校外は許可制の大学あり)

5.      保険:長期は大学側で購入(人身保険は加入必須)

6.      ビザ申請X1180日超)/X2180日以内)を在外の中国大使館・領事館で申請

7.      到着後

o   24時間以内の居住登記(ホテル自動、アパートは派出所)

o   30日以内に居留許可へ切替(X1:パスポート・体検表・学校在学証明 等を持参

ビザ取得とJW201/JW202(迷うポイントをご紹介)

    ①大学合格後、大学からは何をもらう?
☛ 合格後、大学から《入学通知書(Admission Notice)》《来華事由招待表(旧称:JW201/JW202)》等が発送されます(名称は地域で新様式に移行中)。
 JWの違い
  1-1 JW201中国政府奨学金(CSC)等の奨学生向けに発給されるのが一般的
1-2 JW202自費・地方奨学金等の学生向けが一般的
    ※大学・地域で運用差があるため、大学の指示を最優先

·  ② 中国渡航前に発行するビザの種類は?
☛ 学期をまたぐ留学は通常X1ビザで入国→到着後30日以内に居留許可へ切替。
半年以内の短期はX2ビザで事足りるケースが多いです。

チェックリスト(提出前の最終確認でご活用くだいさい)

☐      パスポート有効期限(入学年の翌年3/1以降)

☐      卒業証書・成績表のスキャン(基本的に英語でOK)

☐      HSK/HSKKスコア(有効期限2年)

☐      研究計画書(テンプレ準拠・志望校フィットを明記)

☐      推薦書2通(肩書・署名・連絡先入り、封緘/電子署名) ※修士課程進学の場合

☐      体検表(6か月以内。所見・医師署名・病院印・写真封印)

☐      無犯罪証明(発行6か月以内)※大学ごとに異なりますので確認必要

☐      提出形式(PDF結合順・ファイル名・言語)を統一しておく ※+αですのでマストではない

☐      大学ポータルとCSC/中国語教師奨学金/SGSプラットフォームの両方で進捗確認

よくあるQ&A

Q1:孔子学院(国際中文教師)奨学金は「国際教育学部」しか出せない?
A:学位は基本的に国際中文教育(TCSOL/ICLが主対象。非学位では中国語や人文系科目を設ける大学もあります。まずは志望大学の募集要項を確認すると◎

Q2:HSK・HSKKの点数が足りない場合は?(正規留学対象
A:所説ありますが、一部では付属の語学準備(1年)を条件に合格を出す制度もあるようです(大学・専攻次第)。志望校の学生課に相談するor英語課程+英語証明の選択肢も検討するのもいいかもしれません

Q3:指導教員への連絡は必須?
A:(私の場合ですが)修士課程進学後に、担当指導教官が決まりました。ただ、私の同級生の場合は事前に連絡を取っていたケースが多かったです。

まとめ

· CSC:国家枠。早めの大学及び教員へのコンタクトと二重出願(大学+CSC)がカギ。

·  国際中文教師奨学金中国語教師としてのコミットHSK/HSKKが命。

SGS:上海志望なら第一候補。A類/B類の違い大学の締切に注意。

付録:研究計画書テンプレ

※修士課程向けの研究計画書です。よかったら参考までに;

  • 1. 背景と問題意識
  • 2. 研究目的・問い
  • 3. 先行研究と理論枠組み
  • 4. 研究方法(データ・手法・倫理)
  • 5. 実施計画(学期ごとのマイルストーン)
  • 6. 期待される成果と社会的意義
  • 7. 志望大学・指導教員との適合性
  • 8. 参考文献

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