- はじめに
- 学習計画表の基本構成
- 書く時のポイント
- 私が書いて気づいたこと
- まとめ
はじめに
中国の大学院(特に汉语国际教育専攻)を受験する際、学習計画表は必須書類の一つです。学士時代に論文がある方はその続きを書くこともできますが、私のように論文がない場合は一から作成する必要があります。
今回は、私が実際に提出した学習計画表の構成を100%、内容を30%程度お見せしながら、書き方のポイントを解説します!
学習計画表の基本構成
私が作成した学習計画表は、以下の10部構成・約3,400字(参考文献含めて約4,300字)でした。
📝 1. 志愿理由(志望動機) [約300字]
何を書くか:なぜこの専攻を選んだのか、将来の夢や目標
私の実例:
我有一个梦想,是把汉语的魅力传递给更多日本人,所以我想在中国攻读汉语国际教育。
(日本語訳: 私には夢があります。それは中国語の魅力をより多くの日本人に伝えることです。だから私は中国で汉语国际教育を学びたいと思っています。)
このように、最初の一文で夢・目標をストレートに表現しました。
続けて、具体的なエピソードを展開:
我曾经在xxx公司工作过,在此期间,我对汉语和中国文化产生了浓厚的兴趣…刚开始xxx的时候,我一点儿也听不懂中文,因此沟通时出现了很多尴尬的状况。
(私はかつてxxx会社でで働いた経験があり、その期間に中国語と中国文化に対して深い興味を持つようになりました…の仕事を始めた当初、私は中国語が全く聞き取れず、そのため、気まずい状況が多かったです。)
💡ポイント:
- 冒頭で夢を明確に述べる
- 実体験から興味が生まれた過程を描写(なぜその専攻に興味がわいたのか記載するとGood)
- 「中日友好関係」への貢献など、社会的意義も添える
📅 2. 留学计划(留学計画) [約150字]
何を書くか:修士1年目・2年目で何をするか
私の実例:
硕士第一年:课堂上熟练掌握专业知识,课下努力学习汉语。同时阅读大量有关汉语声调发音的著作,使用日本人学习汉语的资料,加深对研究成果的理解。
(修士1年目:授業で専門知識を熟練して習得し、授業外では中国語の学習に励みます。同時に中国語声調発音に関する著作を大量に読み、日本人が中国語を学習する際の資料を活用し、研究成果に対する理解を深めます。)
硕士第二年:整理并确定自己的研究课题。必要时采取音声实验方式来准备论文资料。整理材料,最后完成硕士毕业论文。
(修士2年目:自分の研究テーマを整理し確定します。必要に応じて音声実験の方法を採用して論文資料を準備します。資料を整理し、最後に修士論文を完成させます。)
💡ポイント:
- 年次ごとに「授業」「課外学習」「研究活動」を分けて記載
- 2年目は論文完成に向けた具体的ステップを示す
☛実際に修論は、1年目から取り組みました!そのため、無理せず自分のペースで完成できました…!この話はまた別の記事にします!
🎯 3. 研究主题(研究テーマ) [1行]
私の実例:
日本人习得汉语声调的现状——以中国留学的日本人为对象——
(日本人の中国語声調習得の現状——中国留学中の日本人を対象として——)
💡ポイント:
- 研究対象を明確に(○○を対象に、○○を中心に、など)
- 簡潔かつ専門的に
※実際の修士論文のテーマですが、このテーマとは全く違います。「研究計画書で書いた内容を絶対研究しなきゃ!」と思いすぎず、興味のあることを書くほうがいいかもしれないです;
📄 4. 摘要(要旨) [約200字]
何を書くか:研究の概要、問題提起、研究の必要性
私の実例:
习得汉语发音是对日本人学习中文的障碍。导致障碍的主要原因是中文声调与日语声调的差异…那么,在中国留学的日本人,他们习得汉语声调的现状怎么样呢?
(発音習得は日本人にとって中国語学習の障害となっています。障害の主な原因は中国語の声調と日本語の声調の違いです…では、中国に留学している日本人は、中国語声調の習得状況はどうなのでしょうか?)
このように疑問形で問題提起をして、研究の必要性を示しました。
其实,以在中国留学的日本人为对象进行发音实验和考察的研究很少。所以,我赞同先行研究,以在”中国留学的日本人”为对象进行发音实验和考察…
( 実は、中国留学中の日本人を対象とした発音実験と考察の研究は少ないのです。そこで私は先行研究を踏まえ、「中国留学中の日本人」を対象として発音実験と考察を行います…)
💡ポイント:
- 問題提起→先行研究の不足→本研究の必要性、という流れ
- 疑問文を使って読み手を引き込むと◎
📚 5. 研究背景(Research Background) [約800字]
何を書くか:なぜこの研究が必要なのか、データや先行研究で裏付け
私の構成:
(1) 学習者数の増加を示すデータ
根据HSK(http://www.hskj.jp/),在日本参加汉语水平考试的考生人数,1999年度为2000人以下,上升到了2012年度的1万5千人。2019年度的话,约有3万人参加了汉语水平考试。
(HSKによると…)
(2) 日本人の学習における課題
先行研究を引用して、日本人は「読み書き」は得意だが「聞く・話す」が苦手であることを指摘:
xx(—-)认为:日本大学生在汉语声调方面的习得远没有在词汇语法,篇章阅读,书面写作方面收到的效果显著,他们普遍反映’声调难。
(xxx(—)は次のように述べています:日本の大学生の中国語声調習得は、語彙文法、文章読解、書面作文の分野で得られる効果には遠く及ばず、彼らは一様に「声調が難しい」と感じています。)
(3) 困難の原因を2つに分類
①学习汉语的方法(中国語学習の方法)
有些汉语水平初级的日本人学习汉语的时候,他们用日语片假名学习外国语..
(中国語レベルが初級の一部の日本人は、中国語を学習する際に日本語のカタカナを使って外国語を学習します…)
日本語と中国語の比較を研究したかったため、ここで私の実体験も追加:
我也感觉。比如,我在xxx工作的时候,有50个日籍同事,汉语水平都初级…百分之八十的同事采取第二种方法…
(私もそう感じました。例えば、私が中xxxで働いていた時、50人の日本人同僚がおり、中国語レベルは皆初級でした…8割の同僚が第二の方法(カタカナ表記)を採用していました…)
②母语的影响(母語の影響)
中文声调有明显的抑扬顿挫,日语声调却没有明显的起伏…
(中国語の声調には明らかな抑揚がありますが、日本語の声調には明らかな起伏がありません…)
(4) 先行研究のレビュー
先行研究内容を紹介し、既存研究の成果と課題を整理
然而,以”在中国留学的日本人”为对象,进行的发音实验和研究…这样的研究论文很少。我认为还有值得去研究的余地。
( しかし、「中国留学中の日本人」を対象とした発音実験と研究…このような研究論文は少ないのです。私は研究する価値がまだあると考えています。)
💡ポイント:
- 統計データ、URL、引用論文を豊富に
- 先行研究を丁寧にレビューして、リサーチギャップを示す☛なぜ、自分の研究をする必要があるか裏付けになります
- (母国語と中国語の比較の場合)自分の経験も適度に織り交ぜてもGoodかも
🎯 6. 研究目的(Research Purpose) [約100字]
私の実例:
对在中国留学的日本人为对象进行发音实验,了解他们学习汉语声调发音的现状。通过对比xx(—-)在日本国内学习汉语的对象,从而探求日本人在中国学习时如何提高声调发音,发音受阻的原因以及提高声调发音的必要条件。
(中国留学中の日本人を対象に発音実験を行い、彼らの中国語声調発音学習の現状を把握します。xx先生(—-)の日本国内で中国語を学習する対象と比較することで、日本人が中国で学習する際にどのように声調発音を向上させるか、発音の障害となる原因、そして声調発音向上の必要条件を探求します。)
(母国語と中国語の比較の場合)ポイント:
- 「何を明らかにするか」を具体的に
- 先行研究との比較という視点を入れました
🔬 7. 研究方法(Research Method) [約500字]
何を書くか:どうやって研究するか
私の構成:
Ⅰ文献调查
利用读书馆,CIKI和CiNii等的文献检索系统,了解更多的有关汉语声调发音的先行研究和调查文献著作…
(図書館、CNKI、CiNiiなどの文献検索システムを利用して、中国語声調発音に関する先行研究や文献著作をより多く理解します…)
Ⅱ发音实验
対象:
对象:在中国留学的日本学生(①初级学生,②学了半年的学生,③学一年左右的学生 ④学两年以上的学生)
(対象:中国留学中の日本人学生(①初級学生、②半年学習した学生、③約1年学習した学生、④2年以上学習した学生)
実験内容:
内容:根据xxx(—-)的研究方法(使用Praat软件),进行发音实验
(xxx先生の研究方法に基づき(Praatソフトを使用)、発音実験を行います)
分析方法:
使用MP3等的器械录音,根据实验结果,制作图表。通过先行研究结果与本次实验的结果的比较,找到改善点和没有进步的部分。
( MP3などの機器で録音し、実験結果に基づいて図表を作成します。先行研究の結果と今回の実験結果を比較することで、改善点と進歩していない部分を見つけます。)
💡ポイント:
- 具体的なツール名(Praatソフト、MP3など)を明記
- 対象者の詳細(初級・中級・高級など学習者のレベル)
- 実験手順を段階的に説明
- 先行研究の手法を参考にする旨を記載(実現可能性を強調しました)
💡 8. 研究意义(研究の意義) [約150字]
私の実例:
我把本次研究进行后,可以了解日本人在中国学习汉语如何提高声调发音水平。而且,还可以理解为何在中国留学也无法提高发音水平,无法大幅度提高声调发音水平的原因。从而从中探求影响发音水平进步的因素。我希望本次研究对日本国内的中文教育做出贡献。
(本研究を行うことで、日本人が中国で中国語を学習する際にどのように声調発音レベルを向上させるかを理解できます。さらに、なぜ中国留学をしても発音レベルが向上しないのか、大幅に声調発音レベルを向上できない原因を理解できます。そこから発音レベル向上に影響を与える要因を探求します。私はこの研究が日本国内の中国語教育に貢献することを願っています)
ポイント:
- 理論的意義と実践的意義の両方を
- なぜその研究をする必要があるのか=なぜ修士課程に進学する必要があるのか明記→その延長線上で「○○に貢献する」という形で社会的価値を示す
🌟 9. 毕业后(卒業後のビジョン) [約100字]
私の実例:
我希望继续研究 “日本人习得汉语声调的方法”。我想利用所学的知识和经历,想把学习汉语的快乐传递给日本人。站在一个”学习汉语的日本人”的角度上,为日本人习得中文声调贡献做出,尽可能地为中日友好关系做出贡献。
(「日本人の中国語声調習得方法」の研究を継続したいと思っています。学んだ知識と経験を活用して、中国語学習の楽しさを日本人に伝えたいと思います。「中国語を学習する日本人」の立場から、日本人の中国語声調習得に貢献し、できる限り中日友好関係に貢献したいと思います。)
💡ポイント:
- 学んだことをどう社会に還元するか
- 冒頭の「夢」と呼応させる
📖 10. 参考文献(References)
私の場合:
- 中文の参考文献:7本
- 日文の参考文献:10本
- 网站の参考文献:2つ(HSK公式サイト、文部科学省)
書き方のルール:
- 中国語文献、日本語文献、ウェブサイトで分ける
- 著者、タイトル、出版社、年度を正確に
- 実際に引用した文献のみ記載
書く時のポイント
✅ 構成面
- 論理的な流れ:志望動機→計画→テーマ→背景→目的→方法→意義→将来
- 具体性重視:「勉強する」ではなく「Praatソフトを使って音声分析する」など、具体性があると◎
- バランス:研究背景と研究方法を特に充実させる(全体の50%程度)
✅ 内容面 ★重要★
- データで説得する:統計、先行研究、URL等を豊富に
- リサーチギャップを明確に:「○○の研究は多いが、△△の研究は少ない」
- 実現可能性:2年間で完成できる現実的な計画を
✅ 言語面
- 学術的な中国語:口語ではなく書面語で
- 引用の正確さ:著者名、年度を()内に明記
- 文字数:3,000~4,000字程度(参考文献除く)
私が書いて気づいたこと
💡 時間をかけるべき部分
- 研究背景:先行研究を読み込んでノートに整理して書く
💡 注意すべき点
- 実体験を入れすぎない(学術的な文章であることを忘れずに)
- 参考文献は実際に読んで理解したものを書く
💡 おすすめの書き方
- まず日本語で構成を練る
- 各セクションごとに中国語で書く
- (もし可能であれば)修士課程の友達や卒業済みの人に相談して、構成や内容を見てもらう
- 全体を通して読み、論理の流れをチェック
- ネイティブチェックをお願いする
☛💡おすすめの方法:わたしは日本の大学院受験を考えているHellTalkで知り合った中国人の友人と、相互でネイティブチェックをしました)
まとめ
学習計画表は、あなたの研究計画のプロポーザルであり、「私はこの2年間でこれだけの研究ができます」という宣言書です。
構成の10要素をしっっかり押さえ、具体的なデータと方法を示し、熱意とストーリーを織り交ぜることで、説得力のある計画書が完成します。
私の実例が、これから中国の大学院を目指す皆さんの参考になれば嬉しいです!📝✨
最終提出情報:
- 日期:2021年3月1日
- 文字数量:3,416个字(包括参考文献:4,349个字)
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