「CAを辞めたい」
一度でもそう思ったことがある方は、この記事を読んでみてください。
CAの仕事は華やかに見られがちですが、その裏には体力的な負担、不規則な生活、キャリアの不安、人間関係のストレスなど、外からは見えない現実があります。
私自身、国内外の航空会社でCAとして乗務し、Chief Purserまで昇進しましたが、「そろそろ辞めたほうがいいかな」と思ったことは一度や二度ではありません。そして実際に、異業種への転職を経験しています。
この記事では、「辞めたい気持ち」を否定も肯定もせず、冷静に「今、何を考えるべきか」を整理していきます。
「辞めたい」と思うのは普通のこと
まず最初に伝えたいのは、「CAを辞めたい」と思うこと自体は、まったく悪いことではないということです。
どんな仕事でも、続けていれば「このままでいいのかな」と思う瞬間は訪れます。むしろ、自分のキャリアについて真剣に考えている証拠です。
大事なのは、一時的な感情で判断するのではなく、「なぜ辞めたいのか」を正確に把握すること。理由によって、取るべきアクションは大きく変わります。
CAが辞めたいと思う7つの理由
私の周りのCAや、自分自身の経験を踏まえて、よくある理由を7つ整理しました。あなたはどれに当てはまりますか?
1. 体力的にきつい
早朝出勤、深夜帰宅、時差、気圧の変化、長時間の立ち仕事。20代では耐えられても、30代に入ると身体への影響を実感し始めます(実際、わたしがそうでした)。腰痛、肌荒れ、慢性的な疲労感。「あと何年この体力が持つんだろう」という不安は、年齢を重ねるほど大きくなります。
この理由に当てはまる方へ: 体力の問題は根性論では解決しません。長期的に無理を続けると、身体を壊すリスクがあります。回復に時間がかかるケガや体調不良が増えてきたら、真剣に「働き方を変える」選択肢を検討するタイミングかもしれません。
2. 不規則な生活リズム
早番、遅番、泊まり。固定の休日がなく、友人や家族との予定が合わない。「今日は何曜日だっけ?」という感覚に慣れていく一方で、ふとした瞬間に「普通の生活」が羨ましくなることがあります。
この理由に当てはまる方へ: 生活リズムの問題は、慣れる人と慣れない人がいます。「割り切れる」なら続けられますが、心身に影響が出ているなら、それは身体からのサインです。
3. キャリアの先行きが見えない
CAのキャリアパスは限られています。Chief Purser、管理職(地上職)、訓練教官…。選択肢は少なく、ポストも限られています。「この先10年、20年の自分」がイメージできない不安は、仕事へのモチベーションを確実に蝕みます。
この理由に当てはまる方へ: キャリアの閉塞感を感じているなら、「CAの経験を活かして次に何ができるか」を具体的に調べてみてください。驚くほど多くの選択肢があることに気づくはずです。
4. 収入への不安
基本給+乗務手当の給与体系は、乗務が減れば収入も減るリスクがあります。「この収入で将来の貯蓄や住宅購入、子育てができるのか」という不安は切実です。
この理由に当てはまる方へ: 年収アップが転職の目的であれば、異業種への転職で実現できる可能性は十分にあります。特に人材エージェントのキャリアコンサルタント、業種問わず営業職はCAからの転職で年収が上がるケースが多いです。
5. 結婚・出産などライフイベント
パートナーとの時間を確保したい、妊活や育児との両立が難しい。ライフイベントをきっかけに転職を考えるCAは非常に多いです。
この理由に当てはまる方へ: ライフイベントは「辞める理由」ではなく「キャリアを見直すきっかけ」です。「辞めるか続けるか」の二択ではなく、「どんな働き方なら両立できるか」という視点で選択肢を広げてみてください。
6. 人間関係のストレス
毎回異なるクルーとのフライト、限られた空間での長時間勤務。合わないクルーとのフライトは精神的に消耗します。また、縦社会の航空会社の文化にストレスを感じるケースも。
この理由に当てはまる方へ: 人間関係の問題は、CAに限ったことではなく、どの職場にもあります。「人間関係だけが理由」なら、転職しても同じ問題に直面する可能性があります。人間関係以外にも辞めたい理由があるかどうか、冷静に整理してみてください。
7. 新しいことに挑戦したい
「接客以外のスキルも身につけたい」「自分の可能性を試したい」「CAの経験を別の形で活かしたい」。前向きな理由での転職は、成功率が高いです。
この理由に当てはまる方へ: 最も良い状態での転職です。この気持ちがあるうちに動くことをおすすめします。
辞めるべきか判断するためのセルフチェック
「辞めたい」と思っても、すぐに辞表を出すべきではありません。以下の質問に答えてみてください。(※あくまでも個人のアドバイスですが、参考までに;)
辞めた方がいいサイン:
- 乗務前に身体が動かなくなることがある
- 休日も仕事のことが頭から離れない
- 体調不良(不眠、食欲不振、頭痛)が続いている
- 「あと○年」と自分に言い聞かせて耐えている
- CAの仕事に対して何の感情も湧かなくなった
もう少し続けた方がいいサイン:
- 辞めたい理由が「一時的な疲れ」や「特定の人間関係」だけ
- 具体的に「何がしたいか」がまだ見えていない
- 経済的な準備がまったくできていない
重要なポイント: 心身の健康に影響が出ている場合は、「もう少し頑張ろう」ではなく、早めに行動することをおすすめします。身体を壊してからでは、転職活動自体が難しくなります。
転職の最適なタイミング
「辞めてから探す」vs「在職中に探す」
結論から言うと、在職中に転職活動を始めることを強くおすすめします。
理由は3つ。
- 経済的な安全網がある — 収入がゼロになるプレッシャーは想像以上に大きい
- 焦らず判断できる — 「早く決めなきゃ」という焦りで妥協しにくい
- 交渉力が保てる — 在職中の方が年収交渉で有利
CAのシフト勤務は不規則ですが、逆に言えば平日に面接を入れやすいメリットもあります。オンライン面接に対応してくれる企業も増えているので、在職中でも十分に転職活動は可能です。
転職活動に必要な期間の目安
- 準備期間(自己分析・情報収集): 2〜4週間
- 書類作成・応募: 2〜4週間
- 面接(書類通過〜内定): 1〜2ヶ月
- 退職手続き: 1〜2ヶ月
合計で3〜5ヶ月が目安です。「来年の春までに転職したい」なら、遅くとも半年前には動き始めるイメージです。わたしは計5カ月でした。1-2か月を自己理解にあてて、残り3か月で実践(書類作成~合格・退職まで)をおこないました。
航空業界特有のタイミング
転職活動を始めるタイミングとして意識しておくべきポイントがあります。
- 繁忙期(GW、夏休み、年末年始)を避ける — 会社のお休み期間は面接の調整が困難
転職の準備:やるべきこと5つ
1. 貯蓄の確認
転職活動中に予期せぬ出費が発生することもあります。最低でも生活費3ヶ月分の貯蓄は確保しておきましょう。在職中に転職活動するなら問題ありませんが、万が一の退職に備えた安全網は大事です。
2. スキルの棚卸し
CAとしてのスキルを書き出し、異業種で通用する形に言語化します。これは職務経歴書の土台になるので、最初にやっておくべき作業です。
3. 転職エージェントへの登録
CAからの転職はキャリアチェンジになるため、プロのアドバイスを受けることをおすすめします。特に「CAの経験をどう伝えるか」という翻訳作業は、エージェントの力を借りると格段にスムーズです。
おすすめの転職エージェント:
①キャリアセッション|伴走型キャリア支援サービスの無料体験面談
キャリアの岐路に立つ30代。転職すべきか・今の会社で頑張るべきか迷っている方

②OwenCareer(応援キャリア)|20代向け転職支援の無料相談
転職が初めて・キャリアの方向性が決まっていない20代

③相性転職PersonalFile|相性マッチング型の20代向け転職支援
入社後のミスマッチを防ぎたい・自分に本当に合う職場を見つけたい20代
※すべて無料で利用できます。2〜3社に登録して比較するのがおすすめ。
4. 基本的なPCスキルの習得
CAの業務ではPCを使う場面が限られているため、Excel・PowerPointの基本操作やビジネスメールの書き方を事前に学んでおくと安心です。
5. 情報収集
「CAから転職した人」のブログやSNSを読んで、リアルな体験談を集めましょう。自分と似た境遇の人がどんな転職をしたのか知ることで、具体的なイメージが湧きます。
辞める前に確認すべきこと
有給休暇の消化
退職前に有給休暇を消化する権利があります。残日数を確認し、計画的に消化しましょう。
退職金・企業年金
勤続年数によっては退職金が支給されます。退職金制度の有無と金額を事前に確認してください。
健康保険・失業保険
退職後の健康保険の切り替え(任意継続 or 国民健康保険)や、失業保険の受給条件を把握しておきましょう。自己都合退職の場合、失業保険の給付開始まで2〜3ヶ月の待機期間があります。
退職の伝え方とタイミング
航空会社によって異なりますが、一般的に退職希望日の1〜2ヶ月前に上司に申し出ます。繁忙期を避けて伝えると、比較的スムーズに進むことが多いです。
「辞めたい」と「辞める」の間にあるもの
「CAを辞めたい」と思ってから実際に辞めるまでには、多くの迷いや不安があります。それは当然のことです。
私自身、何度も「やっぱり続けた方がいいのかな」と揺れました。でも最終的に背中を押してくれたのは、「このまま同じ場所にいて、5年後の自分は後悔しないか?」という自分への問いかけでした。
辞めることが正解とは限りません。でも、「辞めたい」という気持ちを無視し続けることも、正解ではないと思います。
大切なのは、感情的に決断するのではなく、情報を集めて、選択肢を広げた上で、自分で決めること。
この記事が、あなたが冷静に次のステップを考えるための一助になれば嬉しいです。
まとめ
- 「辞めたい」と思うのは普通のこと。自分を責めないでください。
- まずは「なぜ辞めたいのか」を正確に把握する。
- 心身に影響が出ているなら、早めに行動を。
- 転職活動は在職中に始めるのがベスト。
- 一人で抱え込まず、転職エージェントなどプロの力を借りる。
- 最終的に決めるのは自分自身。情報を集めて、納得のいく選択を。
この記事を書いた人: 国内外の航空会社でCA・Chief Purserを経験。上海の大学院で中国語教育を学び(HSK6級)、マーケティング職を経てCA復帰後、現在は広報職。CA転職・中国語学習・旅行の情報を発信中。

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